日々の生活に追われ、どうしても薄れていく震災の記憶。自己矛盾を抱えつつも、考え続けることの大切さを再認識する機会となった。
離れた故郷を思う
手から手へ展は、子供の本に関わる日本の絵本作家たちが中心となり、「3.11後の世界から私たちの未来を考える」というテーマで、世界の仲間たちに呼びかけて作品を募った展覧会だ。7カ国110人が参加し、会場には150点を超える原画が並ぶ。
本展の特徴は、まず国外でスタートしたことである。スロバキア在住の絵本作家、降矢奈々が、遠く離れた故郷の日本を思い「自らの力で何かできないか」と発信したのが始まり。
その結果、日本、スロバキア、そしてヨーロッパ各国の有志56人が参加し、東日本大震災1年後の2012年3月に、イタリアのボローニャで最初の展覧会を開催するに至った。以後、ブラチスラバ(スロバキア)、ワルシャワ(ポーランド)、アムステルダム(オランダ)、コペンハーゲン(デンマーク)と巡回し、世界の人々に作家たちの思いを届け、好評を博した。