北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ)の射程=2014年3月26日午前2時35分と42分で、いずれも北朝鮮・平安南道粛川(スクチョン)から東<日本海の公海上>に向けて発射された。【拡大】
これらは射程55~500キロと推定され、韓国を射程に収めたものだが、ノドンは日本をほぼ全域、射程下に置く。韓国に加え日本も攻撃圏内にあることを意図的に見せつけたといえる。
ただ北朝鮮は今回、射程がより長い中距離弾道ミサイル、ムスダン(射程2500~4000キロ)や長距離弾道ミサイル、テポドン2号(射程約6000キロ)ではなく、ノドンの発射にとどめた。国際批判がより高まる恐れのある長距離ミサイル発射はあえて避けたようだ。
北朝鮮は今年に入り韓国に対話を呼びかけ、韓国側の要求に応じ南北離散家族再会を復活させた。日本とも赤十字協議の場を持ち、今月(3月)30、31日には北京で政府間の局長級協議を行う。軍事的挑発や牽制の一方で対話姿勢は崩していない。
米韓合同訓練に加え、日米韓首脳が北朝鮮を“懸案”として話し合う中、金正恩(キム・ジョンウン)政権にとり対話姿勢だけでは国内的にも示しがつかない。ノドン発射は日本をも意識し、短距離ミサイルやロケット砲の発射よりも強い軍事的示威だ。今後も北朝鮮は、協議をしつつ相手を激怒させない程度の牽制は続けるとみられる。(ソウル 名村隆寛/SANKEI EXPRESS)