海自艦の艦尾でなびく旭日旗=2012年10月18日、神奈川県横浜市(河田一成撮影)【拡大】
“画伯の作品”は最終検討を経て庁議にかけられた。前述した予備的な意見聴取段階と同じに、庁議でもデザインではなく▽帝國海軍との関係▽創設する海自への影響▽国民感情-などが焦点となった。結局、保安庁長官は裁可したが、もう一つハードルが待ち受けていた。
主(ぬし)がいない軍艦旗を惜しみ、日本外洋帆走協会(現・日本セーリング連盟)が国籍旗として正式登録していた。防衛庁では協会に掛け合い、快くデザインを譲ってもらっている。
斯(か)くも国際的に有名な軍艦旗は少ない。「極一部」を除き、斯くも国内外の人々に愛されるデザインも少ない。
ところで、軍艦に行き会った民間船は揚げる国旗を少し下げ元の位置に戻す、敬礼をせねばならぬ海の慣行がある。領海では各国の警察権が及ぶが、公海では伝統的に軍艦が“警察権”を担保してきた。この役割への敬意の表明だ。軍艦側も、敬礼を受けると同時に軍艦旗を少し下げて答礼する。
禁止法施行後、海自艦の韓国入港時、韓国民間船は果たして十六条旭日旗に敬意を示せるだろうか。国際人たる品格とシーマンシップが問われる。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)
■黄金分割 小部分の大部分に対する比を、大部分の全部に対する比に等しくなるよう分割すること。ほぼ1対1.618。長方形は縦横の関係がこの比になるとき美観を与える。