≪成長優先 対策は「二の次」≫
中国北京市では深刻な大気汚染が続き、在中国米大使館サイトによると、微小粒子状物質「PM2.5」を含む汚染指数は最悪レベル(危険)の413となった。国務院(政府)などはさまざまな対策を打ち出しているが、効果は上がっていない。
北京市はスモッグで覆われ、数百メートル先のビルが白色にかすんだ。車両は日中もヘッドライトを点灯。政府が外出を控えるよう呼び掛ける中、街中ではマスクをしていない人も多い。会社員の女性(27)は「己の抵抗力を信じている」と苦笑した。
政府系研究機関の専門家は「国を挙げて汚染対策に取り組んでも、解決には5年かかる」と分析する。習近平指導部は経済成長優先を政策に掲げており、汚染対策は「あくまでも二の次」(中国人研究者)との見方が主流だ。