そんな中、中国南部の貴州省が、省内の自然保護区などの新鮮な空気を入れた缶詰を製造・販売する計画を立ち上げたことを明らかにした。習近平国家主席の提案がきっかけ。富士山で記念品として売られ、かつて話題となった「空気の缶詰」を参考にするという。3月21日付の中国紙、新京報が伝えた。
習氏は国会に相当する全国人民代表大会で3月、北京などの深刻な大気汚染を念頭に貴州省のきれいな空気をたたえ「空気の質は国民の幸福感と密接に関わっている。貴州は“空気の缶詰”を売ればいい」と発言。これを受け、計画がスタートしたという。貴州省は計画の具体化に向けたアイデアを公募。幹部は「富士山の成功例もあり、やる気十分」と意気込むが、インターネット上では「ただの習近平へのごますり」と冷ややかな声も上がっている。
微小粒子状物質のPM2.5などによる汚染が深刻化している中国では、実業家がきれいな空気を詰めた缶を売り出すなど空気を扱ったビジネスが出始めている。(北京 共同/撮影:ロイター、AP/SANKEI EXPRESS)