≪「一定の手応え」 安否再調査へ全力≫
北朝鮮が「解決済み」としてきた拉致問題を議題にすることを拒否せず、日朝間の公式な「対話」はひとまず継続されることになった。拉致をめぐって日本側は「一定の手応え」を感じ取っているが、北朝鮮側が核・ミサイル問題で強硬路線を崩さないなか、日本が経済制裁カードを切るのも容易ではない。
伊原純一アジア大洋州局長は(3月)31日の協議終了後、記者団に対し「具体的な成果を目指して取り組んでいくことが重要だ」と指摘し、拉致被害者の安否再調査の実現などに引き続き全力を挙げる決意を示した。協議に出席した外務省幹部も「中身の濃い意見交換だった」と強調した。
(3月)31日の協議は日本大使館で、午前10時半から4時間余にわたり断続的に行われた。途中、短時間の休憩をはさんだ際、双方が軽食を取る場面もあり、協議のムードは悪くなかったようだ。
しかし北朝鮮側は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の土地建物の売却問題を取り上げ「強い懸念」を表明した。北側は総連本部の重要性に触れ「日朝関係に大きな影響を与えるという問題意識」(外務省幹部)に言及したという。日本は司法手続きを進めていることを説明したが、総連本部問題が日朝関係の新たな大きな課題になったのは間違いない。