東日本大震災からの復興を引っぱるリーダーの育成を目的に設立された「グロービス経営大学院仙台校」では、実践的なプログラムが提供されている(日本財団撮影)【拡大】
経営と貢献 両立追求
震災前から産業の衰退が指摘されていた東北では、倒産や事業規模の縮小を余儀なくされた企業の再興にとどまらず、従来型のビジネスモデルや中央集中の経済構造を変革し、閉塞(へいそく)感を打破できる人材が強く求められている。
仙台校の特徴は、独自の教育プログラム「東北ソーシャルベンチャープログラム」にある。被災地の復興を視野に入れ、事業経営と地域貢献の両立方法を追求するケーススタディーを提供するもので、奨学生は必須の受講科目だ。
バングラデシュの素材でバックを製作する「マザーハウス」や、途上国と先進国間の食に関する不均衡の解決を目指す「TABLE FOR TWO」といった、国内外のソーシャルベンチャーの事例を参考に、学生たちは地域貢献に寄与するビジネスプランを磨いていく。
宮城県女川町でトレーラーハウスを利用したホテルの経営を始めた小松洋介さん(31)は、奨学生の第1期生だ。