【青信号で今週も】
東京に桜の季節がやってきました。桜前線は北上を続けています。今年の冬は、東京ですら幾度も大雪に見舞われる厳しい冬でした。やわらかな桜色は、春の訪れを感じさせます。風が吹けば花びらが舞い、美しい風景が広がります。
桜の花片の色は、樹皮の下で作られます。花が咲く前に木の幹や樹皮を煮出すと、桜色の染め汁を作ることができます。桜の木を天板にしたカウンターに案内されたことがあります。ほんのり紅がさした茶色で、木目も細かい高級なお店の自慢の一つでした。
ごつごつした黒っぽい硬い幹の中が、実は濃い桜色で満たされていて、その力が花びらに届いて、ほんのり色付いているのだと思うと感動的です。根から吸い上げられた水を使って、桜が青空に向けて色素を広げるような生命のイメージを感じます。
桜の花エキスは、動脈硬化や老化に関連するといわれる糖化タンパク質・AGEsの生成を抑制するといわれています。桜の色は、シアニジンという色素でブドウやブルーベリーにも含まれる赤色系の植物が作りだす有機化合物です。シアニジンを変化させた化合物は抗がん作用を持ち、乳がんや卵巣がんに対する論文も報告されていて、創薬への研究が進められています。