日本人は桜の香りも利用してきました。もともとの桜の葉はあまり匂いがしません。塩漬けにして発酵させると、すがすがしい春の香りを立てるようになります。クマリンとよばれるものです。クローバーに含まれていたクマリンの仲間から、血栓予防薬のワーファリンが開発されたのは有名な話です。桜のクマリン自体には、抗血栓作用はありませんが、肝臓に負担をかけるので、桜の葉はたくさん食べずに、香りを楽しむ程度にしましょう。
青い空、緑の土手、鮮やかな桜色。満開の桜の元を初々しい新入生たちが楽しそうに通学するのは、日本の美しい風景の一つです。日本人は桜を大切にし、見て美しさを愛(め)でるだけでなく生活に利用してきました。しばしの間、美しい桜の香りと色にほんのりと包まれることにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)