強硬な市場開放要求
最大のネックとなったのは日本の牛肉市場に対する米国の強硬な市場開放要求だ。日本は今回の会談に先立つ(4月)7日、オーストラリアとのEPA交渉で現在38.5%の牛肉関税を冷凍品は18年目に19.5%、冷蔵品は15年目に23.5%まで段階的に引き下げることで合意。会談では日本がこの水準を目安に関税を下げる姿勢を示したが、米国は「関税撤廃並み」の水準で譲らなかった。これは、もともと重要5分野の関税維持を交渉方針とする日本にとって到底のめる水準ではなかった。
背景に中間選挙
米国の強硬姿勢の背景には、11月に米中間選挙を控えるオバマ政権が日本の大幅な市場開放を求める米業界団体の意向に配慮せざるを得なくなっている事情がある。日本の政府高官は米国のこうした姿勢が「中間選挙が近づくにつれ強まる」とし、日米交渉の決着はより難しくなるとみる。
TPP交渉は、参加国の経済規模の8割を占める日米交渉が進まなければ停滞は避けられない状況で、交渉が長引くほど妥結の機運が低下する懸念が強まっている。(本田誠/SANKEI EXPRESS)