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素朴なフレンチ 地方料理の神髄 ビストロ・ボンモルソー (3/4ページ)

2014.4.13 11:40

「自家製アンドゥイエット5A_マスタード添え」(2160円)は、大腸や胃袋などを直腸などを小腸に詰め込んだ店自慢の逸品。本場の美食家団体から最高ランクのお墨付きをもらった。独特の味わいが癖になる人も多い

「自家製アンドゥイエット5A_マスタード添え」(2160円)は、大腸や胃袋などを直腸などを小腸に詰め込んだ店自慢の逸品。本場の美食家団体から最高ランクのお墨付きをもらった。独特の味わいが癖になる人も多い【拡大】

  • 「自家製ハム_ソーセージ(サボデ)_レンズ豆煮込み」(2160円)。サボデとは豚の顔の部分の肉を余さず使ったソーセージのこと。たっぷりのレンズ豆や煮込まれた自家製ハムが味わい深い
  • 「ブータンノワール(血のソーセージ)」(1300円)は豚の血や生クリームで作られた黒いソーセージ。添えられているのはリンゴジャム
  • 「リヨン風クネル_バターライス添え」(2160円)。リヨン地方では淡水魚のカワカマスが使われるが、タイなどの白身魚で作られていてふわふわの食感。エビのソースでいただく魚介のうまみがぎゅっと詰まった一品
  • 「トリップのパン粉焼き_マスタード風味」(2160円)。丁寧に処理された牛の胃はカリカリとした食感。一見シンプルに見える料理も多くの手間がかけられている
  • デザートの「クレームブリュレ」(630円)。香ばしいキャラメリゼと濃厚なクリームが、食感の面白さとほろ苦い甘さを作り出す
  • シェフの久保正樹さん。食材を余すところなく使うリヨンの伝統料理は、知れば知るほど奥深いという=2014年3月26日、京都市中京区(恵守乾撮影)
  • パリのビストロを思わせるかわいらしい雰囲気の店内。食器や壁の絵などはすべてフランスで買い付けたもの=2014年3月26日、京都市中京区(恵守乾撮影)
  • にぎやかな商店街から一筋入った路地にたたずむ隠れ家的な「ビストロ・ボンモルソー」=2014年3月26日、京都市中京区(恵守乾撮影)

 苦く甘い「血のソーセージ」

 また、見かけの黒さに驚かされるソーセージは「ブータンノワール(血のソーセージ)」。湯がいてあるので、血の色が赤から黒になるのだとか。血と聞いて思わず腰が引けたが、さっくりと切れて断面はなめらか。思わず見ほれてしまう。添えられたリンゴジャムと一緒にいただくと、細かな舌触りのレバーのような、苦みに甘さが加わる複雑な味わい。

 「自家製ハム ソーセージ(サボデ) レンズ豆の煮込み」のサボデは、豚の顔の肉を使って作られたソーセージ。たっぷりのレンズ豆が添えられている。「豚は鳴き声以外は全て食べられる、とよく言われるでしょう。血やホルモンもうまく使っているんですよ」と言われて納得。

 丁寧な下ごしらえ

 リヨン地方はフランス東部に位置し、ローヌ川とソーヌ川が合流する流通の要衝で、パリに運ばれる食材の多くがここを通過した。リヨン市は美食の街として花開いたが、庶民の料理は内臓やローヌ川から取れるカワカマスなどの淡水魚がベース。世界大戦の勃発や産業の発展で、男性が重労働に従事していたとき、街の味を支えていたのは「リヨンの母」と呼ばれる女性たちだったという。家庭料理とブルジョア料理を融合させて作り出した素朴で質の高い料理が根付いているという。

ガイド:ビストロ・ボンモルソー

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