≪露、軍需を依存 影響力維持に躍起≫
クリミア併合に続いてウクライナ東部への軍事介入に含みを残すロシアは、防衛装備の面でウクライナ軍需産業と不可分の関係にある。ロシア軍の核ミサイルやヘリコプターの多くにウクライナ東部で生産された製品が使われており、専門家は「ウクライナとの協力関係を失えば欧米の制裁を上回る打撃となる」と指摘する。ロシアがウクライナに「連邦化」を要求し東部や南部への影響力を維持しようと腐心する背景にはこうした軍事上の理由もありそうだ。
米政府系「ラジオ自由」のウォロノフ軍事評論員によると、ロシア核戦力の中核を担う大陸間弾道ミサイル(ICBM)の約50%にウクライナ製のロケットや制御装置などが使われている。特に米ミサイル防衛(MD)網に対抗できるとされる多弾頭のICBM、SS18「サタン」はソ連時代にウクライナ東部ドニエプロペトロフスクの軍需企業ユジノエで製造され、東部ハリコフの軍需企業ハルトロンの制御装置を装備している。
また、ロシア軍のサイロ格納式ICBMの約15%がドニエプロペトロフスクのミサイル工場「ユジマシ」製だ。ソ連時代につくられ既に老朽化したこれらのミサイルは製造元の技術者のチェックを受けて使用期限を延長し続けている。ウクライナとの協力が途絶えればロシアの核抑止力が揺らぎかねない。