九回、最終打者がアウトになり、ワーストタイの70連敗を喫してがっくりする東大の選手たち=2014年4月20日、東京都新宿区・神宮球場(中井誠撮影)【拡大】
1925(大正14)年に東大が最後に加わって東京六大学野球連盟が創設されて以来、通算244勝1544敗55分けと大きく負け越し、東大は唯一優勝の経験がない。近年は攻撃力不足が特に深刻で、今季は開幕4試合目のこの日、初めて得点した。他大学のように野球推薦枠がない東大は、これまでも苦戦を強いられてきたが、近年、他5校は運動部の強化を一層図っており、力の差は広がる一方だ。
「限界突破+5」
連敗脱出の切り札として一昨年就任した浜田監督(高知・土佐高出)は現役時代、4番で主将(外野手)を務め、1試合2本を含む通算5本のホームランを打った東大野球部史上屈指のスラッガーだった。監督就任に当たって「限界突破+5」をスローガンに掲げてチームを引っ張ってきた。
「限界突破+5」とは極限までの厳しい練習を重ね、各々の選手が守備範囲を5メートル広げるとか胸囲を5センチアップさせるなど「5」にちなむ目標を持たせ、さらに連敗阻止・最下位脱出に必要な年5勝を期すという趣旨だ。だが、まだ顕著な効果は現れず、浜田監督も「いいところがまだ何も出ていない。今は辛抱」と語る。