福島県南相馬市【拡大】
野球の力、スポーツの力…。白球を追う子供たちの笑顔は、世界中のどこでも変わらない。
昨年(2013年)12月14日。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県南相馬市で、野球教室を開催した。近隣自治体を含む小中学生約400人が集まってくれた。被災地での野球教室は、前年に続いて2回目。帰国後のスケジュールで、最優先で予定に入れたのが、この日の訪問だった。
実際に足を運んで、東日本大震災の被害の爪痕の深さを改めて肌で感じた。家を再建することもできず、何もできないままの土地がたくさんあった。みんながバラバラになって生活し、今回の野球教室で久々に友達と再開できた子供たちもいたそうだ。
南相馬市では震災前に16の少年野球チームが活動していたが、現在は3チームだけ。来年はさらに1チーム減るということが、新聞の記事に掲載されていた。
未曽有の大震災。甚大な被害の中で、自分にできることは、ささいなことだとわかっている。「この一日だけでも、子供たちに一緒に野球をする喜びを分かち合ってほしい」。そんな思いが強かった。