タクシン氏の側近で、インラック氏とともに失職したスラポン副首相兼外相は判決を前に「違憲となれば、政府支持派の集会が暴力に発展する」と警告するなど、死傷者を伴う衝突の再発も懸念される。
反政府デモ隊の要求は、あくまでタクシン派の影響力排除であり、内閣の一部退陣では目標達成と見なさない。選挙では集票力のあるタクシン派に勝ち目がないことから、政権が目指すやり直し選挙には直ちに応じない構え。
デモを主導するステープ元副首相は「最後の戦い」と称した大規模なデモを計画しており、違憲判決を追い風に、「選挙前の政治改革」を引き続き求めていく構えだ。
ただ、ステープ氏が唱える「政治改革」は、主権は全タイ人に属するという憲法3条に基づき、知識人や財界人らで構成する「人民評議会」を設立して、選挙制度改革などを推し進めるという内容で、タクシン派ばかりか、諸外国からも「異常な政治体制」(外交筋)を目指す改革だと指摘されており、実現できるかは不透明だ。(シンガポール 吉村英輝/SANKEI EXPRESS)