【国際情勢分析】
タイ国外に逃亡中のタクシン・シナワット元首相(64)を帰国に導く恩赦法の審議を機に11月に始まった反政府デモは現在も続き、今後の情勢は見通せない。だが、タクシン氏の妹、インラック・シナワット首相(46)が12月9日、下院を解散、来年2月の総選挙実施を宣言したことで、引き続き首相の辞任を求めて総選挙を受け入れないデモ隊の主導者、野党民主党のステープ・トゥアクスバン元副首相(64)の姿勢に対し、国内外から厳しい視線が寄せられ始めた。
「利権のための闘争」
米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)は12月10日付社説で、首相の下院解散を「分別のある行動だ」と評価した。社説は、民主党の下院議員約150人が(12月)8日、デモに合流するために辞職したことを「立憲民主制における衝撃的な展開」と表現した。また、首相は法的には残る議員の支持だけでも政権を維持できたとした上で、解散を選んだ判断を「責任ある方向を選んだ」とたたえた。