一方で、政権の権力乱用を批判するステープ氏の主張については「高潔な見せかけの裏にあるのは、権力とそれに伴う利権のための闘争にすぎない」と断じた。特に問題視するのは、ステープ氏が国王による新首相の任命と反タクシン派主導の暫定政府「人民評議会」の設置を求めていることだ。社説はこの要求を「民主的制度の完全な転覆」と指摘。民主党が総選挙をボイコットしデモを継続したとしても、地方を中心に数で勝る与党タイ貢献党の支持者に勝利するのは、デモの面でも難しいだろうと予測した。
インラック政権失政が要因
ステープ氏の要求には、民主党への支持傾向が強いタイ英字紙ネーション(電子版)も厳しい。ネーションは12月11日付の社説で、「海外メディアは反政府デモを、人々が選挙で選んだ政府の転覆を試みるエリートの謀議の一部として描いている」として、デモを政争とみる見方を否定。都市の富裕層と地方の貧困層との闘争だとする理解も「真実を見過ごしている」とした上で、「ほとんどのタイ国民は腐敗した政府への不満によって団結している」とインラック政権の失政がデモの要因だと指摘した。