被災した事業者を対象とした公的な支援制度はさまざまあったが、震災後に移り住んだ起業家をサポートする制度はごく限られている。桑原さんは、たまたま訪れた気仙沼信用金庫で、「わがまち基金」による融資を提案され、650万円の無利子融資が決まった。「この融資がきっかけで事業のスピードアップをすることができた」と桑原さん。陸前高田市の製材業者が一つ一つ手間暇をかけて加工した製品には気仙杉のぬくもりが残され、都内でも人気を呼んでいる。
今年5月1日に、宮城県石巻市でリハビリ特化型デイサービス「リハビリサロンPlace」をオープンした「夢工房」の代表取締役、佐藤裕之さん(40)も、石巻信用金庫の「わがまち基金」による利子補給と創業支援助成を活用して起業した一人である。「500万円の融資と180万円の創業支援助成がなければ、起業していなかったと思う」と、佐藤さんは振り返る。