小野寺五典(いつのり)防衛相(54)は5月25日、中国軍のSu27戦闘機2機が24日に東シナ海の公海上空で海上自衛隊のOP-3C画像情報収集機と航空自衛隊のYS11EB電子測定機に相次いで異常接近したと発表した。最短で約30メートルの距離まで近づき、中国軍機はミサイルを搭載していた。中国の戦闘機が自衛隊機に異常接近したのは初めて。小野寺氏は防衛省で記者団に対し、「常軌を逸した近接行動であり、偶発的な事故につながる危険な行為だ」と中国側を強く批判した。
防衛省によると、異常接近があったのは、日本の防空識別圏と中国が昨年(2013年)11月に設定した防空識別圏が重なる東シナ海中央部の日中中間線周辺の空域で、中国公船が周辺活動を活発化させている尖閣諸島(沖縄県石垣市)から北方約600キロにあたる。
中国軍の2機は、24日午前11時ごろ、海自のOP-3C機に後方から近づき、うち1機が約50メートルまで異常接近した。正午ごろには空自のYS11EB機にやはり後方から2機が近づき、うち1機が約30メートル後方まで異常接近した。接近はいずれも数秒間だった。中国軍機の領空侵犯はなく、お互いに警告射撃はなかった。