日米連携への不満
中国保守派や軍部は、バラク・オバマ米大統領(52)が先の訪日で尖閣諸島への日米安全保障条約の適用を明言したことに激しく反発しており、今回の異常接近には、日米連携への不満も背景にあるといえそうだ。
東シナ海では、日本領空に接近した中国機に空自の戦闘機が緊急発進した回数が昨年度は過去最多の415回で前年度より約36%増えた。また、昨年(2013ねん)1月には、中国海軍艦が海自の護衛艦に射撃管制レーダーを照射するなど、自衛隊に対する中国軍の危険行為はこれまでも繰り返されてきた。
武力衝突につながりかねないこうした挑発行為について、当初は「現場指揮官の暴走」の可能性も指摘されたが、その後、現場指揮官が処分を受けた形跡はなく、いずれも中国共産党中央の指示によるものだったと証言する党高官も現れた。自衛隊が憲法などに縛られ、対抗手段を持っていないことを知った上で、あえて挑発した可能性が高い。
「中国軍の行動は、マナーが悪い部分が多い。いつか起きると思っていたが起きてしまった」。防衛省幹部は苦り切った表情で語った。(SANKEI EXPRESS)