演習監視に「妨害した」
中国海軍は(5月)20~26日、東シナ海でロシア海軍と合同軍事演習を実施し、24日は実弾演習を行っていた。自衛隊機は演習を監視していたが、中国の領空に向かっては飛行せず、「演習に設定された海域、空域とは全く違う場所で、通常の警戒監視の任務に当たっていた」(小野寺氏)という。
小野寺氏は、自衛隊機の対応について「通常、特異な警戒監視が必要な場合はスクランブルをかける。必要な対応は今回も取った」と述べた。また、小野寺氏は24日夜、安倍晋三首相(59)に報告し、首相は「引き続き、しっかり態勢をとってほしい」と指示した。政府は外交ルートを通じて中国側に抗議し、再発防止を要請した。
これに対して中国国防省は25日、自衛隊機2機に中国軍機が緊急発進(スクランブル)したことを認め、「自衛隊機が中国の防空識別圏に侵入し、中露合同演習を偵察、妨害した」と反論する談話を発表した。さらに国防省は、すでに日本側に「一切の偵察と妨害活動の停止」を求めたことを明らかにし、その上で要求に従わなかった場合は「後の結果は日本側が責任を持たなければならない」と明言。さらなる強硬措置を示唆した。