昨年(2013年)夏には31万人が登山に訪れるなど、世界文化遺産登録で注目を集める富士山(3776メートル)。初夏に入り雪の残る富士山でも、登山客やスキーヤー、スノーボーダーでにぎわっている。しかし、大型連休以降、遭難が相次ぎ死者行方不明者は3人にも。救助関係者は過熱気味の人気に複雑な表情だ。
2月の大雪が今も5合目付近まで残る富士山。例年、山開きは7月1日だが、週末の富士宮口5合目には午前6時ごろには40台ほどの車が並び、登山者は冬用のジャケットを着込み続々と出発した。雪の斜面にはガイドや経験者を先頭に、ピッケルやアイゼンを装備した登山者が列を作り、ざっと数えただけでも150人ほどを確認。夏の登山道は雪の下に隠れてしまうが斜面をまっすぐ登ることも可能で、頂上へは夏登山とあまり変わらない6時間ほどで到着していた。
頂上の剣ケ峰で記念写真を撮っていた西野朝子さんは、25年以上富士山を登っているが最近は毎年5、6月ごろに富士山に登るという。「夏のような渋滞もなく、残雪の美しい景色が見られる」とこの時期の登山の魅力を話す。