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愛しのラテンアメリカ(10)グアテマラ コーヒーで感じた日本との距離 (2/3ページ)

2014.6.5 17:30

湖は市民の生活の一部になっている=2014年6月1日、グアテマラ・サンペドロ・ラ・ラグーナ(緑川真実さん撮影)

湖は市民の生活の一部になっている=2014年6月1日、グアテマラ・サンペドロ・ラ・ラグーナ(緑川真実さん撮影)【拡大】

  • アティトラン湖観光の拠点となるパナハッチェルの桟橋。乗客が満員になるとボートが出航する=グアテマラ(緑川真実さん撮影)
  • 朝方トルティーヤを焼く煙があちこちから立ち上る=グアテマラ・パナハッチェル(緑川真実さん撮影)
  • 年配の男性も民族衣装を着ている人が多い=2013年1月5日、グアテマラ・サンペドロ・ラ・ラグーナ(緑川真実さん撮影)
  • 満面の笑みの土産物屋さん=グアテマラ・サンタ・マリア・デ・ヘスス(緑川真実さん撮影)
  • グアテマラ・首都グアテラマ市

 日本に帰国して「グアテマラ」の国名を耳にしたのは、たった一度だけ。スターバックスの注文カウンターで店員が「本日のコーヒーはグアテマラ産の○○」と説明したときだった。グアテマラで実際に目にしたコーヒー労働に携わる、真っ黒に日焼けした男たちと、スターバックスコーヒーの無機質な空間に響く「グアテマラ産コーヒー」から浮かんだイメージはかけ離れていて、遠く離れた2つの国の距離を物語っているようだった。

 ≪美しい湖畔に湧く黒い噂≫

 「グアテマラ産コーヒー」で思い出すのは、メキシコでも聞かれた、大企業や大国絡みの黒い噂だ。

 耳にしたきっかけはアティトラン湖周辺の、村から村を移動するピックアップトラックの荷台で交わされた会話だった。首都に住む旅行者のグアテマラ人男性が道沿いにあるコーヒーの木の状態が悪いことに気づき、地元の女性に理由を尋ねた。すると女性は「ヘリコプターがある日突然現れ、上空から液体を散布してから、木の具合がおかしくなった」と意味深なことを言った。その後に、あくまで噂話と前置きして「畑の下に鉱山があって、政府は外国企業に売却したいらしい」と困ったような表情を見せた。

「コーヒーの樹が枯れた」話

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