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【円游庵の「道具」たち】語りかける器 丸若裕俊 (1/4ページ)

2014.6.6 15:50

上出長右衛門窯の絵皿(大山実撮影)

上出長右衛門窯の絵皿(大山実撮影)【拡大】

  • “シツラエル”カンパニー「丸若屋」代表の丸若裕俊さん=2013年6月21日、東京都台東区(大山実撮影)

 華やかな絵柄に美しい色彩が目にも鮮やかな写真の品々は、日本で育った方なら誰もが一度は目にしたことがあるだろう。これらは、割烹(かっぽう)食器と呼ばれ、大陸より伝わり日本の食文化と出合って独自の発展を遂げたものである。

 割烹食器は、単に料理を盛り付けて客先に運ぶための道具ではない。美しく彩られた絵皿に盛り付けられた料理を前にすると、まずわれわれは、無意識のうちに視・聴・嗅覚から情報を得ようとする。このとき、絵皿に描かれた文様・色彩と料理は相互に反応し合い、一つの世界を生み出す。そして、盛り付けられた料理が絵皿のもとを離れ口に運ばれることにより、それまで外界のものとして堪能していた美しい世界が体内に広がり、われわれの身体と一つとなる。このように、割烹食器は、われわれを果てなき美食の世界にいざなう、いわばトリップのための道具でもあるのだ。このように考えれば、盛り付ける器が変われば料理の味わいが変わるというのも、至極当然のことである。

 結びつく思い

 写真の絵皿を作り出した上出長右衛門窯は、1879(明治12)年に現・石川県能美市寺井町で創業。以来135年にわたり、職人たちが一つ一つ手作業で器を作り続けている。

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