関西の訴訟で夫側代理人は「生物学上の父と暮らしていることなどは、事後的な事情」と指摘。「これを理由に父子関係を取り消せば、妻が意のままに父子関係を否定できることになり、法律上の父子関係がいつまでも不安定な状態に置かれる」と主張した。
母側代理人は、父子関係を取り消さなければ「子にとって不本意でも、真実の父でない者の子として拘束されることになるなど、子の利益を著しく損なうおそれがある」と訴えた。
関西の訴訟で1審大阪家裁は「鑑定結果は究極の嫡出推定を覆す事実」と指摘。2審大阪高裁も子が生物学上の父を「お父さん」と呼んでいることなどから、嫡出推定が及ばないケースと判断した。北海道の訴訟で1審旭川家裁は鑑定結果から「夫との間に生物学的親子関係は存在しないことは明らか」とし、2審札幌高裁も支持した。
≪急速な技術向上 民法の想定外≫
最高裁で弁論が開かれた父子関係取り消し訴訟は、DNA型などの鑑定技術の急速な向上で、民法が想定しなかった事態が起きていることを示している。最高裁が来月(7月)17日に示す判断によっては、同種事案に影響を与えそうだ。