日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2014年4月2日、千葉県内(伴龍二撮影)【拡大】
道理が分からず、目先のことのみにとらわれ、その時だけ、自分さえよければいいと後先を考えない「畜生界」の生命です。そのような生命の強い衆生が多ければ天下は滅んでしまうというのです。
世相を見るにだいぶ薄らいでは参りましたが、いまだ学歴重視の社会構造が定着しているようです。しかし実際問題としていざ社会に出たとき、一番大切になるものは正しい言葉遣いや礼儀を始めとするその人の人間性です。豊かな心や礼儀を身につけてこそ人間であり、礼儀を失すれば動物となんら変わりがありません。しかし現状の教育では「よい人間性」を育てる環境がまだ整っていないように思います。いくら一流企業に入社し、人をけ落としてまで出世して高給取りになったとしても、その言動や生きざまが人の道を外れているならば「愚かな人」と言わざるを得ません。
「人としての道」を教える
今生で得た財産や地位や名誉も、死ぬときにはすべて置いていかねばならないのです。日蓮聖人は「死後の世界に行き、その人の作った悪業により悪所に堕(お)ちてしまったとき、いかに高貴な人であろうが将軍であろうが物の数ではない。獄卒に責め立てられるその姿は猿回しの猿と変わらない。