スポーツは、万人が平等に体を使って参加することができ、心身の健康を向上させ、社会生活をより豊にしてくれる。だが、現在の国際サッカー連盟(FIFA)や日本サッカー協会の考え方は、「金がすべて」という尺度で判断されているようにみえる。これでは、サッカーの魅力や社会的価値が矮小(わいしょう)化されてしまう。そこでは、サポーターやファンも、サッカー市場における「顧客」としてのみ存在している。
2020年には東京五輪が開かれる。金銭至上主義と決別し、単なる身体能力の向上にとどまらず、精神生活の豊かさを深めるための有効性についても議論を深める必要がある。スポーツを、自分たちの手に取り戻すことを真剣に考え、努力すべき時代にきているのではないだろうか。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達