4月の水泳日本選手権の女子100メートル平泳ぎで優勝し2位の鈴木聡美選手(左)と笑顔で握手する渡部香生子(わたなべ・かなこ)選手=2014年4月10日、東京都江東区・辰巳国際水泳場(桐山弘太撮影)【拡大】
【笑顔のアスリート学】
東京都北区にある味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で4月下旬、日本水泳連盟の「エリート小学生合宿」が行われ、視察に足を運んできた。小学5年生を対象とし、2泊3日の研修を含めた強化合宿だった。
集合時の受付では、緊張からかほとんどの選手が元気な挨拶をできなかった。実は、小学生の合宿では毎回のこと。緊張をほぐすために、アイスブレーキング(オリエンテーションのようなもの)などを行ってコミュニケーションを図っていく。それでもなかなか大きな声で挨拶をすることが苦手な選手もいたりするのだが、今回は様子が違った。
世界を目指すトップアスリートが集うNTCには、競泳だけでなく、五輪で競技が実施されるさまざまな種目の選手たちが練習に汗を流し、寝泊まりもしている。
今回、小学生たちが研修を終えてプールへ移動する際、他競技の高校生アスリートたちとすれ違った。その際、高校生たちは率先して「こんにちは~!」と笑顔で元気な挨拶をしてくれた。小学生たちは、その大きな声に驚いたのか、一度、立ち止まり体が固まってしまったようだった。