4月の水泳日本選手権の女子100メートル平泳ぎで優勝し2位の鈴木聡美選手(左)と笑顔で握手する渡部香生子(わたなべ・かなこ)選手=2014年4月10日、東京都江東区・辰巳国際水泳場(桐山弘太撮影)【拡大】
しかし、その直後、何かを思い出したように「こんにちはっ!」と反応した。高校生アスリートたちは、通り過ぎていたのだが、振り返って笑顔を見せてくれた。
その笑顔を見て、小学生たちの顔が一気に変化した。大きな声を出して挨拶を交わすことが、いかに気持ちの良いことかを、高校生たちが教えてくれたのだ。1回の挨拶で、こんなにも人は変われるんだと、その場にいた私も驚いた。
明るい挨拶で活気づく
「こんにちは」。これだけの言葉のやりとりでも、小学生たちは、目には見えないパワーをもらったような、そんな気分になったことだろう。
人間が発する一言一言で、元気になったり、自信になったり、優しくなれたり、寂しくなってしまったりと、まさに「一喜一憂」する。スポーツの現場に、いつも元気な笑顔と明るい挨拶があふれ、活気づくことで、より高いパフォーマンスを発揮できるようになる-。私はそう信じている。
すがすがしい表情と元気な挨拶。言葉と表情は、つながっているとも感じている。私の尊敬する指導者の一人から、「心は顔を作り、顔は心をあらわす」という言葉をかけてもらったことがある。明るく元気な表情をしているときは、心も豊かであり充実している。心が豊かなときは、表情も明るく元気になれる。当たり前のことなのだが、とても大切で、素晴らしい相互関係だと思う。