薄暮の空はやがて濃紺に変わり、ネオンの明かりが空を流れる雲を照らし出した。アジア屈指の歓楽街「歌舞伎町」がようやく動き出す。
靖国通り、JR線、職安通り、明治通りに囲まれる歌舞伎町。約600メートル四方の地域に飲食店やホテルなどがひしめく。最近は東京の観光コースにも組み込まれ、中国やタイなどアジアからの観光客がバスで乗り付けてはカメラを構える。かつてにぎわった「新宿コマ劇場」の跡地には、高さ約130メートルのタワーが新しいランドマークとしてその威容を現し、時の移ろいを感じさせる。
2002年、防犯カメラが歌舞伎町全域に設置され、凶悪犯罪は減少した。また昨年(2013)9月、「客引き行為禁止条例」が施行され、ずいぶんと歩きやすい街になったというのだが…。
この連載「夜感都市」で歌舞伎町を取り上げるのは2回目だ。最初は4年前。視覚的に映るさまも、感覚的な肌触りもたぶん変わっているのだろう。現在の街の息吹を切り取った。