台湾中部・台中市の盲学校を視察し、警護要員に囲まれながら視覚障害者の少女の手を引く張志軍氏(中央右)。張氏は訪台中、中国側の政策転換を反映して民衆との直接対話を重視した=2014年6月28日(田中靖人撮影)【拡大】
その対象は、「3中1青」と呼ばれる中南部の農漁業従事者、中小企業の経営者、中・低所得収入者と青年。中国の習近平国家主席(61)が5月に示した「台湾の基層(末端)民衆の現実的な要求を深く理解する」との方針を実行に移した形だ。6月27日夜には張氏の訪台に抗議する民衆が暴徒化し、規制線を突破して車列にペンキを投げつけるなどした。張氏は翌日の視察日程をほぼ取り消したが、過激な抗議は「台湾の主流の民意を代表していない」と受け流した。
地方視察では新北、台中、高雄の各市長とも面会したが、いずれも高齢者施設など現場の視察後に面会場所に立ち寄ったり、現場に同行した市長と会談する形式を取ったりと、あくまで視察が主目的だとの演出に余念がなかった。
馬政権通さず直接対話
中国側の方針転換は、3~4月にかけ、中台のサービス貿易協定の批准に反対した学生らが立法院(国会に相当)を占拠するなど大規模な反中行動に直面した影響が大きい。