台湾中部・台中市の盲学校を視察し、警護要員に囲まれながら視覚障害者の少女の手を引く張志軍氏(中央右)。張氏は訪台中、中国側の政策転換を反映して民衆との直接対話を重視した=2014年6月28日(田中靖人撮影)【拡大】
次は利益供与の強化か
一方、中国側にとっても、警察の警備を突破するほどの激烈な抗議は予想外だったはずだ。台湾メディアによると、張氏は台湾到着直後に「抗議は予想していたが、実際に遭うと感じが違うものだ」と語ったとされる。張氏の視察先では「熱烈歓迎」の横断幕を掲げる一団もいたが、ネット上にアルバイト代金を受け取っているとされる写真が出回るなど、何らかの団体が動員した可能性が指摘されている。
中国側がこれまで「台湾独立勢力」と指弾してきた野党、民主進歩党の地盤である中南部の農村に、張氏があえて乗り込んだのは、根強い反中感情を和らげる狙いがあるとされる。だが、単に低姿勢で「声を聞く」だけでは独立派が親中派に転向するはずもない。抗議を目の当たりにしたことで、今後は中南部の農産品の購入拡大など、より直接的な利益供与の方策を強化するとみられる。(台北支局 田中靖人/SANKEI EXPRESS)