空間に配置するだけで空気に張りを持たせるような道具は、その品自身が持つ凛としたたたずまいによって、こうした空間に適度な緊張を与え、心地よさに繋(つな)がる距離をもたらす素晴らしい道具でもある。猿山氏の「自在鉤」は、美しいインテリアであると同時に、私たちの生活を心地よいものに変えてくれる優れた一品といえるだろう。(企画プロデュース会社「丸若屋」代表 丸若裕俊/SANKEI EXPRESS)
■まるわか・ひろとし 「丸若屋」(maru-waka.com)代表。日本とフランスを拠点に、伝統ある物の内に潜む、本質的かつ絶対的な美しさを的確に捉え、伝統工芸から最先端工業に至る、幅広い分野における最高峰の技術に無限の可能性を見出した革新的な取り組みを通して、21世紀を生きる人々の生活に、驚きと喜びの提供を行う。パリ・サンジェルマンにて、美しき日本の品々の展示販売を行う“NAKANIWA”をオープン。2016年に創業400年を迎える有田焼の海外プロジェクトも今秋始動。