熱狂も無理はない。コロンビアは「エスコバルの悲劇」から20年を迎えていた。1994年米国W杯。バルデラマら好選手をそろえ、優勝候補の呼び声も高かったコロンビアはグループリーグの米国戦でDFエスコバルがオウンゴールを与え、大会を去る。母国へ帰ったエスコバルは酒場で12発の弾丸を浴び、射殺された。
コロンビアはコカイン供給とマフィアが跋扈(ばっこ)する暗黒社会として恐怖の対象となり、代表チームの人気選手が麻薬カルテルの抗争に関与したこともあった。
長く続いた暗黒時代に決別する復活、復興を代表したのがファルカオだったとすれば、未来への希望の象徴がハメスであるのかもしれない。2人がブラジルのピッチで共存していれば、どれほどの破壊力を秘めていただろう。