「予想できていれば解除しなかった。災害が起きないような状況で特別警報を続けると、情報としての効果が薄れてしまう」。気象庁の海老原智予報課長は、運用の難しさを口にした。
「台風」から「大雨」基準へ
特別警報は重大な災害に警戒を呼び掛ける目的で昨年(2013年)8月から運用開始。「数十年に1度の強さ」を基準とし、昨年(2013年)9月に台風18号に伴う大雨で福井、滋賀、京都の3府県に初めて発表された。ただ、翌10月に発生した伊豆大島(東京都大島町)の土石流災害時には特別警報は出されなかった。
雨量では基準に達していたが、基準の一つの「府県程度(都道府県)広がり」がなかったためで、政府は「大丈夫だと思った人がいたかもしれない」として改善は不可欠との認識を示している。
今回の発表基準は現状のままだったが、台風の勢力などを基準に発表に踏み切ったのは初。また、いったん解除された地域で再び特別警報が出されたことも初めてとなった。