台風8号は7月10日、鹿児島県に上陸して九州を横断した後、高知県沖を経て紀伊半島に再び上陸した。11日は東海から関東、東北の太平洋側を通り、夜までに温帯低気圧に変わる見通し。台風の影響とみられる死者は3人に上り、土砂崩れや浸水など住宅への被害も各地で発生。気象庁は引き続き、警戒を求めた。
台風の列島接近に伴う梅雨前線の活発化で各地で大雨となり、長野県南木曽(なぎそ)町では9日夕、土石流が発生。中学1年、榑沼海斗(くれぬま・かいと)君(12)が巻き込まれ死亡した。
9日に福島県郡山市(こおりやまし)で増水した川に転落した男性(83)が死亡したほか、10日朝には愛媛県西予市(せいよし)で雨の様子を確認するため自宅を出た男性(77)が近くの水路で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。7日以降、台風8号による全国各地の負傷者は50人に上った。
台風は10日未明に風速25メートル以上の暴風域がなくなった。勢力は次第に弱まっているが、北日本に延びる梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響などで、広範囲で大雨となった。