しかし、戦中にフィリピン人ゲリラから逃げる中、出産証明書など父親が日本人であることを証明する資料を紛失したり、戦後、反日感情による差別を恐れ自ら焼き捨てたりしたため、自分が日本人であることを証明できずにいる。
“無国籍状態”となっている2世には、自分の子や孫が日本で働けるといった海外生まれの日本人なら当然持てる権利もなく、貧困の中暮らしている人も多い。国策で中国東北部に渡った満蒙開拓団らの子供の「中国残留孤児」と比べると、日本政府の関心は薄く、支援も乏しい。フィリピン残留2世はまさに「忘れられた日本人」といえる。
日本財団では2006年から、フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)とともに、残留2世の救済事業を始めた。これまで事業の一環として、訪日した残留2世を日本の親族と引き合わせてきたが、今回のように日本からフィリピンの親族を訪ねるのは初めてのケースだ。