今年だけで何本の出演作が公開されるのだろう。爽やかな笑顔と元気いっぱいの演技で多くのファンを魅了してきた黒川芽以(めい、27)は、いま最も脂の乗った売れっ子だ。だが、内面といえば、驚くほど悲壮感に満ちたもので、半ば強迫的といえるほど、あるべき自分になろうと自分を追い込んでいた。「仕事も、人間的な幅の部分も含めて、26歳のうちに革命を起こして成長しなければ…。そんな思いで昨年1年は映画を中心に頑張ってきました」
出合うべくして出合った
なぜそんなにまで思い詰めてしまったのか? 恐る恐る水を向けると、実にきちょうめんな彼女らしい真摯(しんし)な答えが返ってきた。「私はいい意味で人を巻き込んでいく人間になりたいんです。でも、実際には人に寄り添うことが多く、そのことをずっと悩んできました。気がつけば、30歳が視界に入ってきて、私は20代のうちにどれだけのものを残せたのだろうと考えてしまって…」。よくよく考えれば、仕事と学業に全精力を注いできた黒川は、「自分と向き合う時間などありませんでした」と吐露する。