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無言の人形が語る「虐殺」 映画「消えた画 クメール・ルージュの真実」 リティ・パニュ監督インタビュー (3/3ページ)

2014.7.11 16:15

カンボジアとフランスを行き来してカンボジアの記憶の保存に務めるリティ・パニュ監督=2013年12月1日、東京都渋谷区(高橋天地撮影)

カンボジアとフランスを行き来してカンボジアの記憶の保存に務めるリティ・パニュ監督=2013年12月1日、東京都渋谷区(高橋天地撮影)【拡大】

  • 映画「消えた画_クメール・ルージュの真実」(リティ・パニュ監督)。公開中(スリーピン提供)。(C)CDP/ARTE_France/Bophana_Production_2013-All_rights_reserved
  • カンボジア・首都プノンペン

 人の心を保つもの

 クメール・ルージュは家族の写真はもちろんのこと、個人によるあらゆる所有行為を禁じ、記憶として残るものを焼き尽くした。人々には人間としてのアイデンティティーを捨て、ちりや砂粒で作られたロボットであることを要求した。パニュ監督は本作に登場した少年の人形に思いをはせ、自分に言い聞かせるかのように静かに映画監督としての決意を語った。「完全に自由で平等な人間を人間とは言えないでしょう。名前も家族も希望も失ったとしても、映像があれば人の心は何とか保てます」。東京・渋谷のユーロスペースほかで公開中。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■Rithy Panh 1964年4月18日、プノンペン生まれ。15歳のとき、クメール・ルージュ支配下の労働キャンプを脱出し、タイとの国境を抜け、フランスへ。パリの高等映画学院(IDHEC)を卒業し、多くのドキュメンタリーやフィクションを制作。本作は2013年カンヌ国際映画祭ある視点部門で最高賞に輝く。カンボジア映画初のアカデミー外国語映画賞候補にもなった。

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