金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁=2014年7月15日午後、東京都中央区(宮崎裕士撮影)【拡大】
賃金の増加が物価上昇に追いつかない実質賃金の目減りについては「注意深く点検する必要がある」としながらも、国内景気は「前向きな循環メカニズムがしっかり作用し続けている」と述べ、日銀シナリオの着実な進捗を示した。
2つの「関門」
日銀は2%物価上昇率に達するまでに2つの“関門”があるとみている。1つ目は、円安効果がなくなる今夏以降も、1%台を維持できるかどうかだ。
5月の生鮮食品を除く消費者物価上昇率は、増税の影響を除外して前月比0.1ポイント下落した。だが、決定会合では4月の展望リポートで示した物価見通しを検証し、9人の委員が示す大勢見通しの下限を、今年度1.2%と0.2ポイント上方修正した。
これを受けて黒田総裁は「見通しを変える必要はない」と断言した。夏場にいったん下がった物価が再び上昇していくという“第2関門”についても、「幅広い品目が上昇している」「デフレ下のような安売りで需要を開拓する企業行動は減っていく」として物価上昇の持続力を訴えた。