金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁=2014年7月15日午後、東京都中央区(宮崎裕士撮影)【拡大】
緩和長期化に懸念
だが、景気の先行きには不安要素も残る。中でも最大の課題が輸出だ。輸出回復の足取りは日銀の想定より弱い。イラク情勢の混迷などにより、輸出の回復がさらに遅れれば、今年度後半に向けた景気の支えを1つ失うことになる。
輸出低迷は企業の生産拠点の海外移転も一因だが、日銀は先進国を中心に世界経済が回復し、日本の輸出を引き上げると見込む。黒田総裁は、海外経済の持ち直しで「緩やかながら増加していく」と説明した。
ただ、「経済危機からの回復過程においては、成長率の回復も遅れ気味になる」とも述べた。今後輸出が回復しても、緩やかなものにとどまる懸念がある。また、「緩和が長く続いたとき、いろいろな形で行き過ぎが生じる可能性があるのは過去の例をみても事実だ」として、世界的に金融緩和が長期化する中、金融バブルなどへの警戒感もにじませた。黒田総裁の強気の背後に懸念の種も垣間見えた。(塩原永久/SANKEI EXPRESS)