PCは、ベネッセコーポレーションのDBに接続されていた。PCが作動したことは、数千万件の顧客情報をスマホで外部に持ち出すことができる。
「名簿はカネになる」。松崎容疑者は、顧客情報の価値を十分すぎるほど分かっていた。それも、対象が「0~21歳」という宝の山だった。
松崎容疑者はその日のうちに犯行を決めた。顧客情報をスマホに保存して自宅に持ち帰り、インターネットで見つけた名簿業者に売却を持ちかけた。
今年6月までに松崎容疑者は顧客情報を15回程度、名簿業者に計約250万円で売却。1件当たり0.25円という常識からかけ離れた値段だった。
松崎容疑者の自宅マンションは京王電鉄京王線府中駅から北へ約200メートルの飲食店や商業ビルが並ぶ一角。妻と長女(3)と次女(1)の4人暮らし。よく家族でイヌを散歩に連れて行ったり、生まれたばかりの次女をベビーカーに乗せて一家で外出したり、近所では円満な家族として知られていた。その幸せな家庭のドアを7月17日午前、警視庁生活経済課の捜査員がたたいた。