【対話の達人】
仕事や日常生活で、どうするべきか判断しなくてはならない状況は数多くあります。知り得る情報を基に自発的に判断した場合は、悔いが残らないかもしれません。しかし、誰かに説得されて決めるときは慎重にしたいものです。まずは外見や肩書に惑わされないこと。株式投資のことなら、ジーパンをはいた高校生よりスーツを着た証券部長を信じてしまいますね。しかし本来は話の内容で判断すべきなのです。
次に「恐怖遡及(そきゅう)」と呼ばれる論法に惑わされてはいけません。「~しないと~になる」「~すると~にならない」といった表現です。その行動を取らないと不利益をこうむると脅す話し方です。例えば「今、申し込まないと一生手に入りません」とか、「休日出勤すると評価が下がります」といった言い方です。惑わされないためには事実確認が大切です。
また、正論を振りかざし、スケープゴート(身代わり)を登場させて説得しようとする論法にも注意が必要です。これは、まず誰もが反感を持つ対象を攻撃します。例えば、子供を殺害した人を「情けのかけらもない殺人鬼だ。人として最低だ」と罵(ののし)ります。続いて「そう思いますよね。こんな殺人鬼が皆さんの隣に引っ越してきても平気ですか?」とたたみかけます。あなたは徐々に、しかも気付かぬうちに、相手の意見に傾倒していきます。