半期ごとの貿易収支=2014年7月24日、財務省発表。※2014年上半期は速報値【拡大】
政府やエコノミストの多くは、アベノミクス効果で急速に進んだ円安により輸出品の価格競争力が高まり、次第に輸出が拡大するとみていた。しかし自動車メーカーなどは海外で生産から販売までを手掛けて収益を稼ぐ仕組みを構築しており、日本からの輸出は大きく増えないままだ。
むしろ輸入する原材料の価格高騰で中小企業などが苦しみ、物価上昇で家計にも影響を及ぼすという円安の負の側面ばかりが目立っている。
原発停止が長引く中で火力発電の燃料調達を減らすのは難しく、輸入額は今後も高水準で推移する見通しだ。貿易で外貨を稼いで成長につなげてきた経済構造は変わりつつあり、政府は次の戦略をどう描くのかが問われている。(SANKEI EXPRESS)
■貿易統計 製品や原材料の輸出入など日本の貿易状況を示す代表的な統計。品目ごとや国・地域別の貿易動向を把握でき、国の経済政策などに役立てる目的がある。貨物が全国各地の税関を通過する際の申告に基づいて財務省が集計し、毎月発表している。輸出額が輸入額を上回ると貿易収支は黒字、下回れば赤字になる。