1996年度に比べた税収の増減額=1997年度~2014年度。※2011年度までは一般会計分、12年度以降は復興特別所得税と復興特別法人税を合算(データ:財務省統計)【拡大】
財政赤字を理由に、財務官僚は次なる消費税増税を仕掛け、野田佳彦民主党政権(当時)を丸め込んで、自民、公明の両党を巻き込んだ「3党合意」を成立させて、2014年4月から8%、15年10月から10%への増税路線を敷いた。97年増税による惨憺(さんたん)たる結果を無視したわけである。
14年度は財務官僚が見込んだ予算ベースで消費税収は大幅に伸びるが、所得税と法人税収入はアベノミクス効果が表れた13年度実績を下回る。1997年増税がそうだったように、増税によるデフレ効果が税収減となって本格的に表れるのは増税実施の翌年度からである。財務省はその愚を繰り返すうえに、2015年秋の再増税を安倍首相に最終決断させようとしている。首相は失敗の責任を絶対にとらない官僚の意のままになるのか、それとも、97年増税の失敗の教訓を生かして、官僚からの圧力をはねのけるか。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)