今期はテコ入れ策としてファミリー客の重視路線にかじを切り、店舗改装や子供向けセットメニューの改良などに注力。通期の既存店売上高を0~1%増まで戻し、来年以降の再成長につなげるシナリオだった。
1月は限定メニュー効果で半年ぶりに既存店売上高をプラスに持ち込んだが、その後は大型連休商戦やサッカーW杯関連メニューが不発で、6月まで5カ月連続の前年実績割れ。上期(1~6月)通算の売上高は前年同期比3.5%減、客数も前年同期比8.2%減と回復の兆しがみえていない。
追い打ちをかけるように、ファミリー客が増える夏休み期間を前に今回の問題が発覚したことで、いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員は「業績がさらに下ぶれする懸念は深刻さを増してきた」と指摘する。
今後の最優先課題は、品質への信頼とイメージの回復だ。日本マクドナルドHDは原料調達先を切り替えたほか、中国製品や鶏肉製品は輸入のつど検査する体制に改めた。とはいえ、消費者の不安が払拭され、客足の回復する時期は「正直に言って見通せない」(今村氏)という。