琵琶湖の約12倍の面積を誇るこの湖には、魚だけでなく人も住む。中でも水生植物を積み重ねて作った浮島、ウロス島にはウル族と呼ばれる人々が住み、その生活スタイルの珍しさから毎日のように観光客が押し寄せる。ツアーの説明によると、ウロス島は全部で現在約80の浮島があり、1つの島当たり平均4、5家族が住んでいるという。島だけでなく、家や船もトトラと呼ばれる植物製の手作り。大きな島には学校や教会もあり、街として機能しているが、生活が不自由なことに変わりはなく、若者は島を出ていくという。「50年後にはウロス島民はいないだろう」。住民の男性が話していた。グアテマラの先住民文化に続き、ここにも、消えゆくひとつの景色が蜃気楼(しんきろう)のように危うく、存在していた。(写真・文:フリーカメラマン 緑川真実(まなみ)/SANKEI EXPRESS)