職人たちが内装用の木材に何度もラッカーを塗ったり、ダッシュボードにダイヤモンドを埋め込んだりしていくのだ。
「思い出がたくさん詰まった庭の木が嵐で倒れたので、それを内装用の木材に使ってほしい」「お気に入りのピンクの手袋に合わせたシートカラーにしてほしい」…。自家用ジェット機で飛んでくる顧客もいる。彼らの要望にこたえて完成させていくため、値が張るわけだ。工場は工房。車はそこから生まれる「作品」だった。
中国語で書かれたロゴの見本も置いてあった。担当者によると、中国が近い将来、最大の顧客である米国を追い抜く可能性があるという。
ハイテク空飛ぶ絨毯
視察の後はいよいよロールス・ロイスの試乗だ。用意されていたのは、昨年発表されたばかりの最新モデル、レイス。これまでとは異なる若い富裕層をターゲットにした2ドアクーペの戦略的なモデルだという。