「中国は不動産バブルの崩壊や共産党内の権力闘争激化で自滅する」とか、「南シナ海などの露骨な覇権主義で中国は国際的に孤立する」という見方は、日本特有の希望的観測ではないか、と自問したほうがよい。
バブル崩壊というのは自由市場経済で起きる現象である。不動産価格が急落を続ける結果、金融機関の不良債権が膨れ上がって信用不安が起こり、国際金融市場から締め出される。金融機関は相次いで経営破綻し、金融の流れが急激に萎縮して国内経済が大不況に陥る、というのがバブル崩壊である。
中国の場合、共産党の支配下にある中国人民銀行が4兆ドルもの外貨資産を担保に人民元資金を発行し、金融機関に資金を流す。あるいは、緊急事態には党指令で、問題金融機関にドルを資本注入できる。不良債務は地方政府、あるいは国有企業、不良債権は国有商業銀行に堆積する構造だが、この実態は法制度に基づく透明度の高い会計制度があって初めて国際的に公開される。そんな透明性は中国にはなく、法律ではなく、ただ党指令だけがモノを言う。日本のバブル崩壊期の「飛ばし」が国家的規模で行われる可能性が高いし、それを暴く機関は中国の政府、民間調査機関、メディアのどこにも存在しない。飛ばされた巨額の不良債権は明るみに出ないまま、もみ消される。