ペルー国家統計情報局によるとここ数年、年間約100万人の観光客が訪れるマチュピチュ。その内の約3分の1が地元観光客とあるが、実際に訪れたことのあるペルー人に会うことは珍しい。その理由の一つが料金の高さだ。地元割引は各所に設定されているが、それでも交通費と入場料、宿泊費も合わせると1人当たり1万円はくだらない。平均月収が約3万円というペルー人に、マチュピチュ観光の経済的余裕はないだろう。
地球を半周してマチュピチュを見に来る日本人と、近くて遠いマチュピチュを思うペルー人。ひとつの世界遺産をめぐって、経済格差による皮肉が見え隠れしていた。(写真・文:フリーカメラマン 緑川真実
■みどりかわ・まなみ 1979年、東京都生まれ。フリーカメラマン。高校時代南米ボリビアに留学、ギリシャ国立アテネ大学マスメディア学部卒業。2004年のアテネ夏季五輪では共同通信社アテネ支局に勤務。07年、産経新聞社写真報道局入社。12年に退社後、1年半かけて世界ほぼ一周の旅。その様子を産経フォト(ヤーサスブログ)とFBページ「MANAMI NO PHOTO」でも発信中。好きな写真集は写真家、細江英公氏の鎌鼬(かまいたち)。